遺書

このブログは私の遺書だ。みんな……遺書を残すものなんだろう?

絆未満の関係性

幼女戦記を完走。ミリタリーには詳しくないが、幼女という要素の割には内容はとてもハードボイルド。硬派なミリタリーモノとして楽しめた。二期見たいけど絶望的かしら…

 

午後からバイト。初っぱなから集合時間に遅刻して電話すると、「仕事始まるのは三十分後だから別にいいよ」と言われた。ゆるい。

単純作業で動作性の低さが顕著に出たが、みんなおおむね優しかった。会社から支給された晩ご飯のお弁当がおいしかった。 仕事的に若者か多いからか、ちゃんと若い人の口に合う内容だった。

 

迎えの車を待っていると、六十代くらいのおばあさんと出会った。なんとなく、向こうから声をかけてきてくれて、ちょこちょこ会話をした。この街から二時間以上かかるところからやってきたらしかった。しばらく話すと、連れの方がやってきて、おばあさんは行ってしまった。帰り際、お互いに「気をつけて」と笑い合って別れた。なんでわざわざこんなところにまで来たのか気になったが、結局訊けずじまいだった。

 

知らない人となんとなく他愛もない会話をして、お互いの名前や連絡先を知らぬまま別れる。そういうことが結構ある。

お互いに名前を知らない人だからこそ、どこから来たのか、どんな仕事をしているのか、家族はどういう人なのか、割と遠慮なく話せたりする。バス停で話したあるおばあちゃんは、自分の子供の職業や隣人の家庭環境までペラペラ話していた(それはそれでどうかと思うが)。

仕事で西日本各地を飛び回っていた頃、仕事終わりにふらりと地元の店に入った。酒も料理も旨い居酒屋で、私はその晩一万円以上飲んでしまった。あまりにいい飲みっぷりだったのか、隣に座っていた男性客に気に入られ、仲良くなった。が、途中からしつこく何度も口説かれる様になり、私がのらりくらりとかわして断っていると、別の客が間に入ってきた。

「無理だよ。このねーちゃんには何か飲まなきゃやってられない理由があるんだよ。あんたには無理だ」

その客は連れから社長と呼ばれていた。私はその社長とも仲良くなり、彼から千円分のクオカードをもらった。たしか一緒に名刺ももらったのだが、さてどこへやったっけな。

 

人間はひとりじゃ生きていけないけど、関わり過ぎるとうっとうしくもなる。二度と会うことのない人同士の、「気を付けて」「あなたもね」なんて言葉だけが、本当は何より優しかったりするのかもしれない。

あのおばあちゃんはちゃんとおうちに帰れただろうか。明日の私はもう忘れているかもしれないけど、今ばかりはあの人が無事家に帰れていたらいいなと思う。