生理痛がひどいから産婦人科に行ってピルもらってきた
PMS(月経前症候群)ならびにPMDD(月経前不快気分障害)をご存知だろうか。
PMSとは生理前の女性に起こる生理痛などの様々な諸症状を指す。腹痛・腰痛・便秘・精神的不調などだ。個人によって症状の種類や程度は違う。
PMDDとは、生理前の諸症状の中でも特にひどい精神的な不調のことを指す。主な症状は、不安感・倦怠感・イライラ・激しい気分の落ち込みなど。こちらも個人によって症状の種類や程度は異なる。
昔から「生理は病気ではない」と言われてきたが(私も母に言われたことがある)、生理痛や生理前の精神的不調は当たり前のものではない。
『仕事でミスをしてしまいがちになる』『家事がはかどりにくい』『苛立ちがひどくて周りの人間につい当たってしまう』『鎮痛剤を飲まなければ』
上記の様なことに思い当たるなら、ぜひ産婦人科へ行って欲しい。産婦人科に行くことは恥ずかしいことではない。乳ガンなどの一部の検査はもちろん、最近は肌へのヒアルロン酸注射なども産婦人科の領分だったりするし(もちろん病院によるが)。風邪で熱が出たら医者にかかるのと同じ様に、生理の諸症状に困っているなら産婦人科にかかるべきなのだ。
かく言う私も生理前にやってくる様々な諸症状に悩まされ続け、ついに先々月に産婦人科の門を叩いた。事前に予約したにも関わらず、待合室はごった返していた。年齢層も様々で、十代から六十代?くらいまでいたと思う。お腹の大きな妊婦さん以外は、誰もどんな目的で産婦人科の門を叩いたのか判然としなかった(そりゃそうだ)。
初診なので問診票を書かされたが、記入欄には様々な項目があった。基本的には他科の病院と同様だが、中には性交渉の経験の有無・性交痛を書く欄があった。素人考えながら、おそらく性病の確認や膣内に挿入するタイプのエコー(後述)のために記入させられるのだろう。
他には、生理の前後や最中にどんな症状が起こるのかを書く、特殊な問診票があった。一ヶ月分のカレンダーというか、グラフの様なもので、生理の諸症状が生理前・生理中・生理後とどう変化していくかを記入する。記録を付けている人はその日記など持参して行こう(記入はおおよそざっくりで大丈夫だろうけど、おそらく記録をもとに記入するのが望ましい)。私はスマホアプリのルナルナで生理日の記録をある程度取っていたのでそれに基づいてざっくり書いた。
問診票にPMSやPMDDについての相談であると書いた上で、実際に問診。ちなみにここのお医者様は女性。念のため卵巣のエコーをとることになった(生理の症状がひどい場合、卵巣の病気の可能性があるのだ)。
この病院には二つのエコーがあるらしく、ひとつはお腹の上から当てるタイプ(テレビで妊婦さんにやってるやつみたいな)。
もうひとつが先述の、膣内に挿入して撮影するタイプのエコー。事前に性交渉の経験や性交痛の有無を訊かれたのはほぼほぼこのためだと思う。性器の挿入を経験したことのない女性がエコーを挿入されれば激痛が伴うだろう。
私は事情があって前者となった。おそらく医師に頼めばエコーの種類は選ばせてもらえると思う。
ベッドに横になり、上半身の服をめくり上げる様に指示される。下半身もアンダーヘアーぎりぎり(っていうか見えてたかも)まで脱ぐ。たぶん半ケツになってたと思う。お腹などの脱毛処理を行っていなかったことを後悔する(これから行く人は気をつけて)。円柱型のカメラ?を当てられ、モニターで卵巣を確認。映像は白黒。テレビでお馴染みの胎児を撮影した映像みたいな感じだった。
『特に異常なし』ということで、服を着直す。卵巣の病気ではなくPMSやPMDDという診断をもらい、生理痛に使う鎮痛剤と低用量ピルを処方された。
一般にピルというと、避妊のために使われる薬という印象だと思う。ピルを飲んでいるというだけで『貞操観念のない性に奔放な女性』と思ってしまう人もいるかもしれない。お恥ずかしながら、私も高校生の時に友人から説明を受けるまではそうだった。
しかし、『避妊』というのはあくまでピルの用途のひとつでしかない。ピルはPMSやPMDDなど、月経に伴う諸症状を緩和するためにも用いられる。
というのも、ピルは生理を止める薬。どういう原理かは割愛するが、ピルを飲み続けると生理が止まる(生理日であっても経血が出なくなる)。ので、妊娠しなくなるし、生理に伴う諸症状も起きなくなる。
私のもらったピルの場合は(ざっくり説明すると)、生理の起きた日から一錠ずつ飲み始め、服用を継続して25日目になったら、一端休薬する(ピルの服用をやめる)。一定期間、ピルの服用を断ったのちに、また飲み始める。それの繰り返し。
ホルモンバランスの乱れを招くので、毎日決まった時間に飲まなければならず、また休薬しなければならないなんて面倒なシステムであり、扱いが難しい。鎮痛剤とは違い、産婦人科できちんと説明を受けてからでないと受け取れない薬なのだ。
何度も念を押す様に説明を受けた上で、ピルと鎮痛剤をもらい、終了。病院を去る。
金額は診療と薬代込みで五千円程度。初診かつピルの値段が高めなのでこの金額か(ピルは保険適用のものだったが二十五日分で三千円を超えた)。
とはいえ、卵巣に異常なしとわかったことや、薬により生理の諸症状が緩和されることを思えば、無駄な浪費ではなかったと思う。
読者諸氏もこれを機会にぜひ産婦人科へ。生理に悩んでいる人を見かけたら、医師の診療にかかる様におすすめして欲しい。