遺書

このブログは私の遺書だ。みんな……遺書を残すものなんだろう?

ドキドキ!死者蘇生クッキング☆

残念なことに、これまでの人生において貧困と縁が切れた試しはない。幼少期から幾度も餓死の危機をおぼえ、山で採ってきた山菜などで食いつないできた。

そのため、食に関して並々ならぬ執着がある。色気より食い気。私がほぼ毎日台所に立つのは、単純に食い意地が張っているからだ。

 

貧乏性と調理技術。出会ってはいけない2つの要素が大恋愛した末に誕生するのは、賞味期限切れの食材を活かした魔の料理だ。私はこれを死者蘇生クッキングと誇称している。

私にとって賞味期限は絶対的な価値基準ではない。信じるのは己の舌と長年の勘、そして自らの肉体の鈍感さ・頑強さのみである。

 

死者蘇生クッキングの肝は、味をどう誤魔化すかにある。生物なら水で表面を洗い流し、スパイスを使って火に通せばまぁイケる。

市販のカレー粉や唐揚げ粉、マヨネーズは心強い味方だ。初心者ネクロマンサーでも簡単に味をごまかすことができる。

私くらいになると、ローズマリーオレガノオールスパイスで臭いをかき消し、賞味期限が一週間以上切れた魚の切り身をフライにして美味しくいただいてしまう。夜な夜な食中りでトイレに起きないか、我ながら不安ではある。

 

この世の摂理に抗う蛮行。貧乏性とガストロノミーの危険な恋愛。両津勘吉が調味料と調理技術を手に入れたらきっとこうなるだろう。

決してオススメはしない。どなたかがこの記事に影響されて健康を害したとしても、私は責任をとりかねる。あしからず。読者の諸君の健康を心から願う。