遺書

このブログは私の遺書だ。みんな……遺書を残すものなんだろう?

わたしとドーナツ

最近ドーナツ作りにハマっている。特に理由はない。強力粉とホットケーキミックス(本来は薄力粉を使うのだが)の割合の調整が難しい。強力粉だけで作ると、揚げた時に外側が硬くなりやすい。ホットケーキミックスや薄力粉だけで作るとさっくり軽い食感になるが、個人的にはもちもちとした食感の方が好みだ。故に、かじった時はさっくりと、奥歯で咀嚼する時はもちもちと……なんて夢のドーナツを作るには、強力粉と薄力粉(私の場合はホットケーキミックスだが)の配合が肝要なのだ。

揚げる時の温度も肝要だ。唐揚げなどはさっくりした食感を求めて高温で揚げがちだが、ドーナツの場合は高温だと揚げ過ぎになりがちで、下手をすると黒こげになってしまう。比較的低温で、様子を見ながら揚げなけれぱならない。

いずれにしろ、イースト菌で発酵させて作るので、パン作りのノウハウが役に立っている。発酵が不十分だったり、焼き具合が足りないと、食べた時に生臭い臭いがする。

そして、パンが焼ける時の香ばしい香りには、僅かなアルコール臭も混ざっている。イースト菌が発酵した時に発生するアルコールが熱せられることにより揮発し、小麦粉が焼けた時の匂いと混じり合って、あの独特の香ばしい香りとなるのだ。

いずれにしろ、パン作りは経験が物を言う。焼き加減を見極めるのはもちろん、その日の室温や湿度によって水加減や発酵のペースを見極めねばならない。毎日パンを作っていればそのうち慣れてくるものだが、少しでもパン作りから離れればすぐに勘は鈍ってしまう。私なんかは、同じ手順で作ってもクオリティが安定しない(食するのに問題ないレベルの差ではあるが、僅かに味に違いが出てしまう)。

子供の頃、保育園で出されたドーナツが大好きだった。揚げたてで、子供の歯でも食べられるくらいに柔らかいのに、もちもちとしていておいしかった。イースト菌で発酵させていたのか、ベーキングパウダーやショートニングを使っていたのか……今となってはわからないが、いつも同じクオリティのおいしいドーナツをおやつに出していた調理師さんはすごい。

子供の頃に食べた思い出の味を目指して、精進するのみである。